思考実験コンセンサスゲーム「暴走トロッコと作業員と太った男」(解説編)

本記事は、コンセンサスゲーム「暴走トロッコと作業員と太った男」の解説編になります。ゲーム未プレイの方は、先にこちら(導入編)の記事を御覧ください。

思考のヒント

さて、あなたの考えはまとまったでしょうか?

答えが出た方は、次のことについて考えてみて下さい。

あなたの考え方は、前回に紹介した「暴走トロッコと作業員」の時と比べて変化しましたか?

変わったとしたら、なぜその変化が起きたのでしょうか?

設定が変わると多数派が変化する

以前の記事で、設定条件を変えると多数派が変わると紹介しました。今回はその思考実験です。

今回の設定で思考実験をすると、前回紹介した問題と多数派意見が入れ替わります。

前回のスイッチを切り替える問題とは逆に、70~90%の人がそのまま静観し、5人が犠牲になるほうを選びます。

つまり、人の脳は太った男を突き落とすという選択を圧倒的に嫌うのです。

前回の思考実験と犠牲になる人数は変わっていないが…

前回の思考実験と犠牲になる人数は変わっていませんし、同じく暴走トロッコと作業員の問題です。また前回同様あなたが1人か5人かを選択することができる状況です。

それなのになぜ多数派意見が入れ替わったのでしょうか?どうしてこのようなことが起るのか?考えてみましょう。

意図的に行動を起こしたのか否か

今回の設定では、1人の男性を突き落とすという行為があるため、前回の「暴走トロッコと作業員」よりも積極的に殺人に関わることになり、そこに強い抵抗が生まれるのです。

より多くの人が助かることが目的だったとしても…

もし、あなたが望む結果がより多くの人が助かることであったとしても、自分が関わるというケースになると、人はより主観的に物事を判断します。

5人を選択するか、一人を選択するかという問題だけではなく、あなたがどう思うかという主観性が、判断の重要な位置を占めるようになるのです。

まとめ&あわせてよみたい

さて、今回の思考実験コンセンサスゲームはいかがだったでしょうか?

これは私の予想ですが、全グループとも「Bのそのままにしておく」の方を選択したのではないかと思います。

今回の問題は、「論理的思考を鍛える33の思考実験」(著:北村良子 彩図社)より参考&引用しております。こちらには、面白い思考実験が多数掲載されていますので、興味のある方は、是非一度ご覧ください。

また、当サイトでは、グループワークや研修などで使える「コミュニケーションゲーム」などを多数紹介しております。是非、こちらの記事も御覧頂けると幸いです。

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