【頑張れ!日本の製造業】生活に寄り添うスマホアクセサリーの名門──「多摩電子工業」

スマートフォンが生活の中心にある今、充電器やケーブル、モバイルバッテリーなどの周辺機器は欠かせない存在だ。家電量販店やコンビニで何気なく手に取ったそのアクセサリーが、実は長い歴史を持つ日本メーカー「多摩電子工業」の製品だった──という経験をした人も少なくないだろう。
もくじ(CONTENTS)
1997年国内初となる「電池式携帯電話用充電器」を開発
多摩電子工業株式会社は、1976年に創業した日本の電気機器メーカーだ。本社は現在、神奈川県川崎市麻生区に構えている。創業当時はカー用品販売会社の商品開発や OEM 生産を手がけていたが、同社の転機となったのが1990年代後半。携帯電話の普及を受け、1997年に国内初となる「電池式携帯電話用充電器」を開発し、特許を取得したことで一気に注目を集めるようになった。以来、携帯電話・スマートフォン向け充電器の企画・開発・製造・販売を本格化させ、モバイルアクセサリー市場で確固たる地位を築き上げてきたのである。
日本で開発・中国の自社工場で生産

この成功を支えたのが、「日本での企画開発×中国自社工場での生産」という体制だ。企画・開発は日本の本社や国内拠点で行い、2002年には中国・蘇州に、2010年には中国・東莞に自社工場を設立。ISO9001/14001 の認証や Apple の MFi ライセンス取得工場として品質管理を徹底している点も特徴だ。
品質と安全性にこだわりながらも手に取りやすい価格を実現し、さらに販売チャネルの広さがブランドを支える。特にコンビニエンスストアにおけるスマホ充電器やモバイルバッテリーのシェアはトップクラス。緊急で充電器が必要になったとき、多摩電子工業の製品に助けられた人も多いはずだ。
幅広い製品ラインナップのスマホアクセサリーメーカーへ

同社の製品ラインナップは実に幅広い。スマホ充電器やケーブルはもちろんのこと、モバイルバッテリー、Bluetooth機器、FMトランスミッター、ヘッドホン、PC用メガネまで、ユーザーの生活に寄り添ったアイテムが並ぶ。さらにブランド戦略も積極的で、1997年には「ING」、2013年のアリスティとの合併後には「AxinG(アクシング)」など、時代に合わせてブランド刷新を行ってきた。
また、同社は単に製品を作るだけでなく、ユーザーとの接点を広げる取り組みにも力を入れている。2018年からはタレント・出川哲朗を起用したテレビCMを展開し、番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』のスポンサーとなったことで一般への認知度を大きく向上させた。
2020年代に入り、同社はさらに事業領域を広げている。スマホアクセサリーに加え、カー用品、デジタルオーディオ、PC周辺機器、さらにはオフィスや学校向けの中型パワーバンク、ペット用品の展開など、多様化する需要に対応できる体制を整えつつある。2024年度の売上高は連結で 88.6 億円と、安定した業績を維持している点も見逃せない。
生活者の今を捉え続ける視点を大切に…
創業から約半世紀。多摩電子工業が一貫して掲げてきたのは「ユーザーの身近な存在であること」だ。スマホの充電環境が変わればケーブルも変わり、生活のスタイルが変われば周辺機器のニーズも変わる。そうした移り変わりの早い市場で、多摩電子工業は生活者の“いま”を捉え続けてきた。
「困ったときに近くのコンビニで買える安心感」
「使い続けられる品質を適正価格で」
「日本のユーザーが求める便利さを形にする」
派手さはないかもしれない。しかし、この地道なモノづくりこそが日本メーカーの底力だ。
今後も多摩電子工業は、変化し続けるデジタルライフを支える名脇役として、確かに存在し続けるだろう。
【資料参考・引用サイト】
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