城東区関目「杉山通商店会」に吹く“風来亭”のあたたかい風

京阪・関目駅の東口を抜け、住宅街へ伸びる細い通りに「杉山通商店会」の街灯がぽつり、ぽつりと連なっている。この商店街の名は、かつて大阪城の“杉山”を望む道として親しまれた「杉山街道」に由来するという。歴史資料によれば、京街道から分岐し、現在の杉山通商店街を南下して新喜多橋を渡り、城東区を縦断して大阪城へと続いた古道であると記されている。

今では商店の数も減り、通りの多くは静かな住宅街の顔つきになった。それでも、街灯に残る緑色の商店会プレートや、時折現れる昭和の面影を宿した建物が、この通りがたしかに“商いの道”であったことを語り継いでいる。
そんな流れゆく時代のただなかで、変わらぬ「庶民価格」の灯りをともし続ける店がある。
もくじ(CONTENTS)
◆洋風旬菜 風来亭ー懐かしさとボリュームが、今日もお腹を満たす

杉山通商店会の中ほど、井上ビル1階にひっそりと佇むのが「洋風旬菜 風来亭」だ。店内はカウンターとテーブルが数席あるだけの、驚くほどこぢんまりした空間。しかし、昼どきには常連客が集まり、店主がひとりで手際よくフライパンを振るう音が心地よく響く。

メニューに並ぶのはどれも“あと100円高くても行列ができそう”な庶民派料理。名物の大盛りオムライスは1000円でお釣りが来ると評判で、ふわとろ玉子の下から顔を出す自家製デミグラスソースの香りに、誰もがつい笑みをこぼすという。

各種パスタは750円から食べられる。さらにランチタイムは、日替わりパスタにサラダとパンがついて750円というのだから、庶民にとっては本当にうれしい。

またドライカレーとナポリタンにトンカツを乗せたトルコライスは、大人でも胸が躍る“宝箱のような一皿”だ。ミートソーススパは湯気を上げたまま提供され、添えられたパンに絡めれば満足感はさらに増す。
店主は過度に愛想が良いわけではないが、ひと皿ひと皿ににじむ実直さが、訪れた人々を惹きつけてやまない。
「安くて旨い洋食の隠れ家」という言葉は、常連客の口コミそのままの姿である。
◆商店街に吹く“風”のように

杉山通商店会を歩くと、往年の賑わいを想像させる風景が点々と残る。しかし多くの店がすでにシャッターを下ろしている。しかし、新しい客を呼び込む店がひとつあるだけで、商店街は息を吹き返す。「風来亭」はまさにその象徴だ。
この通りを、“杉山街道”として多くの人が往来した時代があったように、今日もまた、昼時になると風来亭の暖簾をくぐる人の足取りが途切れない。
歴史の道すじに、小さな洋食店の湯気が立ち上る。
それはきっと、商店街に吹く“未来への風”なのだろう。
【店舗情報】
店名:洋風旬菜 風来亭
住所:大阪市城東区関目3-7-27 井上ビル1F
営業時間:11:30~14:30 17:00~22:00
定休日:日曜日
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