大阪市城東区・古市に息づく景観資源「大阪信愛学院」と「関目スラローム道路」を歩く

大阪市城東区・古市エリアは、住宅街としての落ち着いた雰囲気を保ちながら、歴史ある教育施設や特色ある道路景観など、“まちの個性”が色濃く残っています。本記事では、大阪市都市景観資源にも登録されている 「大阪信愛学院」「関目スラローム道路」 を、その成り立ちや歴史的背景を交えて紹介します。

 1. 140年以上の歴史を刻む「大阪信愛学院」

大阪信愛学院

● 始まりは1884年——フランスから来日した修道女の教育活動

大阪信愛学院の歴史は、1884年(明治17年)に川口外国人居留地で「信愛女学校」が開設されたことに始まります。

そのルーツはさらに遡り、1877年、フランス・マルセイユから派遣された4人の修道女が来日し孤児養育を行ったことに端を発します。

教育母体は、フランスで創立された 「ショファイユの幼きイエズス修道会」。キリスト教精神を基礎とした教育が脈々と受け継がれています。

● 現在地・古市への移転と学院本館の誕生

古市中公園から望む大阪信愛学院

1932年(昭和7年)、学院は現在の大阪市城東区古市(当時は東成区千林町)へ校舎を移転。

この際に建てられた本館は現在も中学校校舎の一部として使用されており、地域の歴史的建造物として存在感を放っています。

また、キャンパス内の聖堂は、2005年「大阪都市景観建築賞(大阪市長賞)」を受賞。街路に向けたセットバックや水盤・緑地の設置など、周辺環境への配慮が高く評価されています。

● 都市景観資源としての価値

大阪市の都市景観資源にも認定されている

大阪信愛学院は、城東区の「都市景観資源(わがまちナイススポット)」としても登録されており、歴史・建築・教育文化の三拍子がそろった地域遺産です。

特に学院本館と聖堂は、関目スラローム道路とともに、周辺景観を象徴づける存在として評価されています。

2. まるで“道路のアート”——関目スラローム道路

関目スラローム道路

● 誕生は1990年、花博アクセス道路として整備

関目スラローム道路は、1990年に開催された「国際花と緑の博覧会(花博)」へのアクセス道路として、古市2〜3丁目(菫地域)に整備されました。

特徴はなんと言っても、大阪市で初めて導入された“曲線を主体とした蛇行型の道路線形”。これにより車の速度を自然に抑え、歩行者を守る歩車共存型の道路として機能しています。

● 地域の景観と調和したデザイン

道路沿いには、「タイサンボクの街路樹」「大阪信愛学院の校舎の美しい外観」が連続し、独特で心地よい景観を形成しています。

大阪市都市景観委員会も「地域でスラローム道路として親しまれ、沿道景観と調和している」と評価しています。歩道幅を最大4.5mまで確保することで歩行者空間が広く、安全性にも配慮されています。

● 都市景観資源としての登録(2024年)

令和6年(2024年)2月29日、この道路は「都市景観資源(わがまちナイススポット)」に正式登録されました。

城東区で登録されている21件の景観資源の中でも、道路空間そのものが評価されている例は珍しく、その独自性が光ります。

3. 二つの景観資源が紡ぐ“古市らしさ”

大阪信愛学院の脇を通る関目スラローム道路

大阪信愛学院の歴史的建造物と、関目スラローム道路ののびやかな曲線が織りなす景観は、古市というまちのアイデンティティそのものと言えるでしょう。

  • 学院は140年以上続く教育文化の拠点
  • 道路は地域の安全と景観を両立させた新しい都市デザイン

古くからの建物と、平成以降の景観づくりが自然に溶け合い、歩くだけで“まちの歴史の層”を体感できるエリアです。

■ おわりに

古市中公園にある「菫の荘」の記念碑

大阪市城東区古市を訪れる際は、ぜひ「大阪信愛学院」の周辺を歩き、そこから「関目スラローム道路」へと続く散策ルートを辿ってみてください。過去から現在へ、地域が丁寧に守り育ててきた景観を肌で感じられるはずです。

【参考・引用】

大阪信愛学院ホームページ

大阪市公式ホームページ

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