ビジネス事例で学ぶ「戦略思考クイズ10」(アクアクララの宅配水事業)

現代社会は、複雑で変化の激しい時代です。またグローバル化の進展や技術革新の加速により、企業を取り巻く環境は日々変化しています。

このような環境下で企業が生き残るためには、常に変化に対応し、柔軟な経営を行う必要があります。現代ビジネスマンにとって必須となりつつある「戦略思考スキル」について、ビジネスシーンで実際にあった事例クイズを解きながらトレーニングしていきましょう

今回は、「アクアクララ」の宅配水事業を取り上げます。

事例問題:アクアクララ成長の秘密

大企業が新規事業に乗り出す多角化では、それまでの本業で培った財産(アセット)を活かすコトが成功の鍵だと言われています。

 飲料水の宅配事業を展開するアクアクララの場合、もともとは商社のベンチャー事業でしたが、あることを得意としている会社が親会社になってから成長が始まりました。

アクアクララを成長させた親会社の「財産」とはいったい何なのでしょうか?

ヒント

水の宅配事業って何が大変なのか考えてみましょう!

解答:プロパンガスの宅配網

アクアクララの親会社は、実は首都圏と静岡県でLPガスを販売する会社。

都会に住んでいるとガスはガス栓をひねると自然に出てくるものだと思っていますが、ちょっと都心を離れるとガスは重たいガスボンベに入れて宅配されています。

 実はミネラルウォーターのように重たい物の宅配は、普通の宅配業者のドライバーには大変な仕事です。一方で、重たいものを宅配するのがもともと得意なガス会社にとって、この事業は自社の配達網の強みを活かすことができる格好の新規事業案件だったのです。

【コラム】お水を購入する時代に…

今では当たり前の様に、コンビニやスーパー、自動販売機でもミネラルウォーターが販売されていますが、私が子供の頃(およそ50年程前)は、お水が他の清涼飲料水など一緒に販売しているということはありませんでした。

昔は、水道水(もしくは浄水器を通した水)をそのまま冷蔵庫で冷やして飲むのが普通でした。当時は、お水をわざわざお金を出してお店で買うという発想すらありませんでした。

ところが、今はどうでしょう。清涼飲料水やコーヒーよりもミネラルウォーターを購入する方が圧倒的に多くなりました。

糖分の取りすぎを控えるため、清涼飲料水の代わりにミネラルウォーターに切り替えたというのが一番大きな理由ですが、今では「お水」を購入するということに対して何の抵抗もありません。

時代が変われば、私たちの価値観も変わるものですね…

引用・参考文献

今回紹介した戦略思考クイズは、「戦略思考トレーニング 最強経済クイズ【精選版】」(日本経済新聞出版)から引用・出題しました。本書には、その他にも、実際のビジネス戦略をテーマにしたクイズが沢山掲載されています。戦略思考スキルを鍛えたいと思う方は、一度ご覧になってはいかがでしょうか。

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