ビジネス事例で学ぶ「戦略思考クイズ7」(マクドナルドのビジネスモデル)
現代社会は、複雑で変化の激しい時代です。またグローバル化の進展や技術革新の加速により、企業を取り巻く環境は日々変化しています。
このような環境下で企業が生き残るためには、常に変化に対応し、柔軟な経営を行う必要があります。現代ビジネスマンにとって必須となりつつある「戦略思考スキル」について、ビジネスシーンで実際にあった事例クイズを解きながらトレーニングしていきましょう
今回は、世界最大のハンバーガーチェーン「マクドナルド」のビジネスモデルを取り上げます。
もくじ(CONTENTS)
事例問題「マクドナルド」のビジネスモデル
フランチャイズ方式を展開する飲食チェーン本部ではフランチャイズ料収入だけではなく食品や消耗品をお店に販売することで儲けているのが普通です。
ところが1960年代にアメリカで急拡大したマクドナルドはそれよりももっと収益性の高い「加盟店からお金を徴収する方法」を編み出しました。その方法とはいったい何でしょう?
問題のヒント
売上だけではなく、金利にも着目してみよう
解答解説:マクドナルドの店舗の地主になった
1960年代にマクドナルドの経営陣だったハリー・J・ソンボーンと言う人はアメリカ中にあるほぼすべてのマクドナルドの店舗の地主になるという戦略を思いつきました。
お店のオーナーは賃貸契約書に従って売上に応じた賃料をマクドナルドに支払ったのですが、この計算式のおかげで、オーナーたちは平均してみると地域の賃料相場よりもずっと高い賃料を支払うことになりました。賃料が収入源ならマクドナルド本社の収益は安定しますし、当時のマクドナルドの場合、資金調達もリスクのある事業資金より土地を買うお金の方が有利な条件で銀行から調達できました。
【POINT】
この時代、ソンボーンは「われわれは不動産業をしているのです」と投資家に説明していたというのは有名な逸話です。
【豆知識】マクドナルドの「ゴールデンアーチ」
マクドナルドのゴールデンアーチは、世界で最も有名なロゴの一つであり、マクドナルドブランドのアイコニックなシンボルです。しかし、その歴史や意味について知らない方も多いのではないでしょうか。
ゴールデンアーチの歴史
ゴールデンアーチは、もともとマクドナルドの店舗のデザインの一部でした。1955年、カリフォルニア州サンバーナディーノにオープンしたマクドナルド1号店は、2本の大きなアーチが特徴的な建物でした。このアーチは、当時としては斬新なデザインで、ドライバーの目を引く効果がありました。
1962年、マクドナルドの経営者であったレイ・クロック氏は、このアーチをロゴとして採用することを決定しました。当初は、2本のアーチが重なり合ったシンプルなデザインでしたが、1968年には現在のM字型デザインに変更されました。
ゴールデンアーチの意味
ゴールデンアーチは、マクドナルドの提供する「おいしくて手頃な価格の食事」というコンセプトを象徴しています。また、M字は「マクドナルド」の頭文字であるだけでなく、「母親」や「家」を連想させる形にもなっています。
近年では、ゴールデンアーチの色や形が様々なバリエーションで展開されています。これは、マクドナルドがグローバルな企業として世界各地の文化や習慣に適応していく姿勢を表しています。
その他
ゴールデンアーチは、世界で最も認識されているロゴの一つであり、20世紀で最も重要なデザインの一つとされています。
ゴールデンアーチは、マクドナルドの店舗だけでなく、様々な商品や広告にも使用されています。
2018年には、マクドナルドのフランス法人は、ゴールデンアーチをより現代的なデザインに変更すると発表しました。しかし、この変更は大きな反発を受け、マクドナルドは元のデザインに戻すことを余儀なくされました。
マクドナルドのゴールデンアーチは、単なるロゴ以上の存在です。それは、マクドナルドの歴史、理念、そしてグローバルな存在感を表すシンボルなのです。
引用・参考文献
今回紹介した戦略思考クイズは、「戦略思考トレーニング 最強経済クイズ【精選版】」(日本経済新聞出版)から引用・出題しました。本書には、その他にも、実際のビジネス戦略をテーマにしたクイズが沢山掲載されています。戦略思考スキルを鍛えたいと思う方は、一度ご覧になってはいかがでしょうか。
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