思考実験コンセンサスゲーム「暴走トロッコと作業員と太った男」(導入編)

今回紹介するのは、有名な思考実験問題「暴走トロッコと作業員」シリーズのバリエーション問題です。今回の問題を単独で取り組むのも可能ですが、前回の問題を行った後で、今回の問題に取り組む方が面白いでしょう。

コンセンサスゲーム「暴走トロッコと作業員と太った男」

上記動画は、「思考実験コンセンサスゲーム 暴走トロッコと作業員と太った男」のルール説明動画となります。教室やオンラインでゲームを実施する際に使ってください。

【ストーリー】

ある橋の上にいるあなたは、とんでもない光景を目の当たりにしてしまいました。

橋の下にある線路の上を、石を沢山積んだトロッコが猛スピードで暴走してきたのです。

暴走トロッコの先には5人の作業員がいます。しかし誰ひとり、この悲惨な状況に気がついていません。

このままでは5人は死んでしまいます。あなたはこの状況をどうにかする方法はないかとあたりを見回します。

すると、橋の上に、自分の他にもうひとり、男性がいることに気が付きました。

かなりの巨漢で、しかも見るからに重そうな大きなリュックを背負っているではありませんか。

この男を突き落とすことができたなら、トロッコを止めることができます。

しかし、その場合、男は確実に死んでしまいます。

太った男は、作業員5人が行っている作業が気になっているらしく、大きく身を乗り出して夢中になっています。そうやらこの男性も暴走トロッコには気がついていないようです。

今なら確実に太った男を路線上に落とすことができるとします。

あなたは太った男を下に突き落としますか?

それともそのままにしますか?

なお、あなた自身が飛び込んでもトロッコは止まらず、あなたを含めた犠牲が6人になるだけだとわかっているとします。

実際には太った、しかも重そうなリュックを背負っている男を突き落としたからと言ってトロッコが止まるとは限らないでしょう。

しかも、特に小柄な女性であれば、こんな大きな男を突き落とせるわけがないし、もみ合いになって自分が落とされるかもしれないと考えるかもしれません。

しかし今回の思考実験では、この太った男を突き落とせば確実にトロッコは止まるし、あなたが突き落とす行動をとれば、もみ合いになることなく確実に突き落とせると仮定します。

また、あなたが起こした行動によってあなたが罪に問われることはないとします。

【設問1】(個人ワーク、制限時間3分)

あなたはどちらの行動をとりますか?

A:太った男を下に突き落とす

B:そのままにしておく

【設問2】(グループワーク:制限時間10分)

設問1の内容について、グループで話合い、グループとしての回答(選択肢A又はB)を決定して下さい。

またなぜその選択肢に決定したのか、その理由についてもグループとしての意見をまとめて下さい

【参考&引用】

今回の思考実験の問題「暴走トロッコと作業員と太った男」については、「論理的思考を鍛える33の思考実験」(著:北村良子 彩図社)より参考&引用しております。

ゲーム後の流れ

複数のグループに分かれてゲームを実施した場合は、ゲーム後に全体発表会を行います。

発表会は、各グループの代表者1名が前に出て、グループとしての回答、その回答に至った理由などを発表します。

発表会が終わった後は、講師・ファシリテーターより、講評&解説を行います。

解説編の記事はこちらから

【あわせてよみたい】

思考実験の暴走トロッコ問題には、前提条件を変えた様々なバリエーションがあります。他の問題については、以下のページを御覧ください。

思考実験コンセンサスゲーム「暴走トロッコと作業員」(導入編)

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