思考実験コンセンサスゲーム「暴走トロッコと作業員」(解説編)

今回は「暴走トロッコと作業員」の解説記事になります。そのため、ゲーム終了後に御覧頂くことをオススメします。

これからゲームを始めるという方は、先にこちらの記事を御覧ください。

思考のヒント

あなた自身の考え、そしてグループの考えはまとまったでしょうか?

ちなみにこちらの問題は、NHKで放送された、サンデル教授の「ハーバード白熱教室」でも取り上げられたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか?

多数派の回答は…

今回の思考実験の多数派の回答は、Aの「スイッチを切替え、ひとりを犠牲にして5人を助ける」でした。

あなたの回答、そしてグループで話し合った結果はいかがだったでしょうか?

有名な思考実験のため、統計データも豊富で、だいたい85%以上の人がスイッチを切り替えて5人を助ける。

そのためにひとりを犠牲にする行為は許される、しかたがないと回答しています。

数の論理が優先される

今回の条件では、ひとりより5人の命を助けるという数の論理による思考が働いているようです。

面識のない5人と1人で、どちらにも感情を変化させる要素もないため、比較的冷静に思考している状態ですね。

要するにひとりの命より5人の命の方が重たいと考え、スイッチを切り替える判断に至ったのでしょう。

一方、少数派の回答は…

「スイッチを切り替えずに5人を犠牲にする」を選んだ少数派の人々の考えの一例はこんな感じです。

もともとトロッコは5人の方向に向かって走っていたのだから、5人は犠牲になる運命にあった。

もうひとりの方は、進行方向とは関係のない位置にいたのだから、この人を巻き込むのは間違っている

このように考えるようです。人の運命を自分が操作することに対して抵抗を感じているのです。

また違う意見では、スイッチを操作することで、自分が傍観者からこの事故の関係者になります。

そしてやむを得ないと皆が考える状態であるとはいえ、関係のない一人の作業員を自分の手で殺すことになる、ということに強い拒否反応を示すのです。

明確な正解・不正解はない

今回の思考実験・コンセンサスゲームに、どちらが正解で、どちらが間違っているという明確な解答はありません。

あなたがどう考えたのか、そしてグループで話し合ってどのような結論を出したのか?

その回答に至るプロセスが大切なのです。

トロッコ問題は、条件によって多数派が入れ替わる

またこのトロッコ問題には、様々な条件のバリエーションがあります。そしてそのバリエーション(条件)によって、多数派と少数派が入れ替わったりします。

また次の機会に、他のパターンの問題も紹介しましょう。

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