神の視点で文明をデザインせよ! 超重量級戦略ゲーム『シヴォリューション』の魅力

文明発展ゲームというジャンルは、ボードゲーム界において常に人気の高いテーマのひとつだ。自らの国家や民族を導き、技術を発展させ、未開の地を開拓していく――そんな壮大な体験は、多くのゲーマーを魅了し続けている。
だが、ホビージャパンから発売された『シヴォリューション(Civolution)』は、その枠組みをさらに一歩先へ進めた作品だ。プレイヤーは単なる文明の指導者ではない。なんと「文明デザインの試験を受ける学生」として、シミュレーター内の世界に介入する“神”の立場から文明そのものを設計していくのである。
もくじ(CONTENTS)
奇抜でユニークな世界観

本作の舞台は「創造技術学院」。プレイヤーは文明創造を学ぶ学生として試験に挑み、仮想世界の文明を発展させていく。一般的な文明ゲームが歴史をなぞる体験であるのに対し、『シヴォリューション』は文明そのものを設計するというSF色の強いコンセプトを採用している。
ゲーム内では部族を移住させ、繁殖させ、資源を生産し、技術や特性を獲得しながら文明を成長させていく。しかしそのすべてが「文明コンソール」と呼ばれる独特のシステムによって管理されている点が実に面白い。
テーマとメカニクスがしっかり結びついており、「自分が文明をプログラムしている」ような感覚を味わえるのだ。
圧巻の22アクション

『シヴォリューション』を語る上で欠かせないのが、膨大な選択肢だ。
ゲームの心臓部となるコンソールには、多数のモジュールが並んでいる。移住、探索、繁殖、生産、建設、研究など、文明を発展させるための多彩なアクションが用意されており、それぞれを強化していくことも可能だ。
しかも、ただ選ぶだけではない。
アクションの実行にはダイスの組み合わせを利用するため、「やりたいこと」と「できること」が必ずしも一致しない。この絶妙な不自由さが、プレイヤーの思考を刺激する。
「今は研究を進めたいが、出目の都合で探索のほうが効率的かもしれない」
そんな悩ましい判断の連続が、本作の醍醐味と言える。
重量級ゲームでありながら、毎手番に明確な決断が求められるため、プレイ中は最後まで集中力が途切れない。
選択と成長の快感

本作のもうひとつの魅力は、文明がどんどん進化していく手応えだ。
序盤は限られた能力しか持たない小さな部族に過ぎない。しかしゲームが進むにつれ、新たな能力が解放され、アクションの効率が向上し、得点源も増えていく。
特にモジュールのアップグレードは非常に気持ちがいい。
強化された探索アクションで未開の地を開き、繁殖で人口を増やし、資源を潤沢に確保してさらに発展する――そんな連鎖が生まれたときの爽快感は格別だ。
ゲーム終盤には、序盤では想像もできなかった規模のコンボを繰り出せるようになり、自分だけの文明エンジンが完成していく。
重厚なゲームを好むプレイヤーにとって、これほど満足感の高い成長システムはそう多くないだろう。
毎回異なる文明史

『シヴォリューション』の魅力は、一度遊んで終わりではないところにもある。
得点条件や目標、登場するタイルやカードの組み合わせが毎回変化するため、同じ戦略が常に通用するわけではない。あるゲームでは人口拡大が重要になり、別のゲームでは知識や名声が重要になる。そのため、プレイヤーは盤面を見ながら最適な方向性を見極めなければならない。
「今回は探検中心でいくか」
「いや、研究特化のほうが得点効率が良さそうだ」
こうした戦略構築の面白さこそ、本作が高いリプレイ性を持つ理由である。
フェルト作品の集大成とも言える一作

デザイナーは『ブルゴーニュ』や『トラヤヌス』など数々の名作を生み出してきたシュテファン・フェルト。『シヴォリューション』は、そんな巨匠が手掛けた意欲作でもある。
得点機会の多さ、複数の戦略ルート、ダイスを活用した意思決定、そして濃密なエンジン構築。フェルト作品の魅力が凝縮されながらも、新たな挑戦が随所に盛り込まれている。
プレイ時間は90〜180分と決して軽くはない。むしろ現代ボードゲームの中でもかなりの重量級だろう。 だが、その時間の長さを忘れさせるほど、次から次へと面白い選択が押し寄せてくる。
【総評とまとめ】

『シヴォリューション』は、文明発展ゲームの壮大さと、ユーロゲームらしい緻密な戦略性を兼ね備えた傑作だ。
自由度の高さ、圧倒的な選択肢、成長の快感、そして何度でも遊びたくなるリプレイ性。そのどれもが重量級ゲームファンの期待に応えてくれる。
- 「じっくり考えるゲームが好き」
- 「文明発展ゲームに目がない」
- 「歯ごたえのある戦略ゲームを探している」
そんなプレイヤーなら、本作は間違いなくチェックする価値があるだろう。さあ、創造技術学院の試験会場へ足を踏み入れよう。あなたは果たして、理想の文明を創り上げることができるだろうか。
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