【大阪・今里】お好み焼きとおでんの名店「丸福」で「今里やきそば」のルーツを探る

大阪・今里。コリアンタウンや今里新地を擁するこの街は、今もなお“生活の匂い”が色濃く残る下町エリアだ。今里(神路)新道商店街を中に進むと、朱色のテントがひときわ目を引く一軒がある。それが、お好み焼きとおでんの店 「丸福」 だ。

地元客を中心に長年愛され続け、レビューサイトでも「人生トップクラスのお好み焼き」「豆腐入りの丸福焼きが唯一無二」と高評価を集める実力店である。

下町商店街に溶け込む、温度のある空間

店内は、まさに“大阪のお好み焼き屋”の王道。鉄板付きテーブル、年季の入った内装、そして家族経営ならではの柔らかな空気感。

レビューサイトの口コミでも「初訪問でも居心地がいい」「お母さん、お父さんの人柄が味を引き立てる」といった声が多く見られるのも納得だ。

【限定】今里やきそば― 消えかけた“ご当地焼きそば”へのオマージュ

「今里やきそば」は後から客が好みでソースをかける

今回のお目当ては、日替わり限定メニューの 「今里やきそば」。

今里のご当地やきそばということもあり、心が弾む。

その歴史とルーツについて、女将さんと大将に尋ねたところ…

「本物の今里焼きそばは、既に絶滅しており、今回、お店で提供しているのは、今里やきそばに似せて作ったもの」とのこと。

ちなみに、本物の今里やきそばを提供するお店は、「ロータリーの焼きそば」という愛称で、地元で大変人気のお店だったが、もう何十年も前に閉店したという。

その本物の今里やきそばは、「ホルモン・もつ」で出汁をとっているのが特長で、食べると口の周りが油まみれになったとのこと。

女将さん曰く、その当時のレシピを再現するのは、不可能ではないが、実際には、もつで出汁をとるのにめちゃくちゃコストがかかるので、商売として提供するのは難しい。昔は、ホルモンが安い値段で仕入れることができたから作ることができたという。

今里焼きそばは、一旦絶滅して復活していることから、そのルーツが曖昧な部分も残っている。そんな中、今回の話は、地元で長年商売を続けてきた大将から得た貴重な証言だ。

ソースをかけた後の「今里やきそば」

豚ばらと玉ねぎ、そして太の麺のやきそばに、後からぐるぐるとソースをかける。その時、私の脳裏によみがえったのは、本当のロータリーがあった頃の昭和の今里の情景だった。

お好み焼き屋で味わう“本気のおでん”

丸福のもう一つの名物が おでん。

今回は「大根」「スジ」「玉子」「梅焼き」をオーダー。

澄みながらもコクのある出汁は、粉もんの合間に食べても舌を疲れさせない絶妙さ。

関西人以外の人には馴染みの薄いかもしれない「梅焼き」。こちらは、魚のすり身に卵を混ぜ、梅の花の型でふわふわに焼き上げたもの

この独自のふわふわ食感がたまりません。

【店舗情報】

店名:丸福

住所:大阪府大阪市東成区大今里4-2-1

アクセス:大阪メトロ今里駅より徒歩約5〜6分

営業時間:11:00〜23:00

定休日:月・火

編集後記|「日常の延長線」にある名店

丸福は、観光客向けでも話題先行型でもない。けれど、今里という街の日常に深く根を下ろし、“いつもの味”を丁寧に磨き続けてきた店だと感じる。今里やきそばとおでんを静かに噛みしめながら、この街が積み重ねてきた時間ごと、味わう。そんな食体験を求める人に、そっとすすめたい一軒である。

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