エルゴノミクスキーボードの真打登場!「ロジクールK860」レビュー

画像引用:ロジクール公式サイトより

ロジクールは同社初の日本語配列エルゴノミックキーボード「Logicool Ergo K860」を発表した。

先行発売したUS配列版が高評価の中、いよいよ本命の日本語配列版が正式発売される。

今回は、そんな真打となる同製品の魅力についてたっぷり迫ってみたい。

エルゴノミクス(人間工学)とは?

エルゴノミクス(ergonomics:人間工学)とは、人間の作業に関する研究者たちによって1950年に設立された「エルゴノミクス協会」が作成した新語。

人間が使用する機器・家具・建物などを科学的に分析し、快適で疲労の少ないものにする工学的アプローチのことである。

PCやITの分野では、人間とコンピュータの接点となるキーボード・マウス・ディスプレイ等に、エルゴノミクスの研究成果を採り入れた製品が数多く発売されている。

エルゴノミクスキーボードとは?

エルゴノミクス(人間工学)の思想・研究成果に基づいて、設計・デザインされたキーボードのことである。

大きな特徴として、一般的なキーボードとは形状が大きく異なる点が挙げられる。

一般的なキーボードは、キーが直線的に配置されているが、エルゴノミクスキーボードは…

  • 5本指の長さを配慮して曲線状にキーを配置
  • 右手側と左手側のキーが分離している
  • 手前から奥に下がる様に傾斜している

…等の特徴を持つ製品が多い。エルゴノミクスキーボードは「長時間タイピングしても疲れにくい」を設計コンセプトとしている。

ロジクールERGO K860 エルゴノミックスプリットキーボード

それでは、今回発表された「Logicool Ergo K860」についてレビューしていきたい。

ERGO K860の主な製品仕様

画像引用:Amazon商品紹介ページより

まずは、基本となる製品仕様は以下の通り…

  • 製品名:ロジクール ERGO K860エルゴノミックスプリットキーボード
  • 型番:K860
  • 本体サイズ:456㎜×233㎜×48㎜
  • 本体重量:1160g(電池含む)
  • 本体カラー:グラファイト
  • キーレイアウト:115キー日本語レイアウト
  • キー構造:パンタグラフ
  • キーピッチ:18㎜
  • キーストローク:1.8㎜
  • 角度調整機能:有(マイナス4度~マイナス7度)
  • その他機能:Easy-Switchボタン(3台を切替え)
  • 使用電池:単四形乾電池×2本
  • 電池寿命:最大2年間
  • 無線方式:2.4GHzロジクールUnifying、Bluethooth 5.0

以上、プレスリリースより抜粋

プレスリリースによると、発売日は、2021年8月19日(木)。価格は税込16,940円(ロジクールオンラインストア価格)の模様。

人間工学に基づいた曲線&分離型フォルム

まずは、本製品の最大の特長であるそのフォルムについて触れていきたい。

御覧の通りロジクール ERGO K860は、左手・右手それぞれが担当するキーが分離している。そして奥から手前にかけて「ハの字」状にレイアウトされている。

この形状こそが、手・手首・指・前腕を自然な姿勢でタイピングできる環境を実現してくれる。

3層構造の快適パームレスト

画像引用:Amazon商品紹介ページより

キーボードと一体のパームレストに秘密がある。

【パームレスト内部は3層構造】

  • 第1層:表面は滑らかな触り心地を実現。上部で汚れにくく、クリーニングが簡単なコーティングを施した0.5㎜の生地を採用。
  • 第2層:厚さ2㎜の高反発素材で、手首にかかる圧力を均等に分散。快適なしっかりした感触を実現している。
  • 第3層:厚さ4㎜の形状記憶素材が、あなたにマッチした弾力性を提供し、快適性とリラックスした状態を強化してくれる。

姿勢を改善し、手首と前腕の疲れを大幅に軽減!

これら特長により、パームレストのない従来のロジクール製キーボードと比べると、手首の曲げを25%軽減しながら、54%高い手首サポートを実現しているという。

座っていても立っていても快適ポジションをキープ

画像引用:ロジクール公式サイト

さらに、革新的なパームリフト機能を搭載。

0度・マイナス4度・マイナス7度に角度調整が可能なため、座ってタイプする時も、立ってタイプする時も、手のひらを自然なポジションに置くことができる。

一般的なキーボードも、角度調整機能を備えているものが多いが、通常は手前から奥に、角度が上がるのが普通。しかし、K860は角度が下がるのが革新的だ。

以上、エルゴノミクス(人間工学)の視点から本製品を紹介した。

次に、それ以外の部分のスペックついても触れていきたい。

K860のキーピッチ・ストローク等

画像引用:Amazon商品紹介ページより

ロジクール ERGO K860は、テンキー付きの日本語フルサイズキーボード。

パンタグラフ方式のアイソレーション設計で、キーピッチは18㎜、キーストロークは1.8㎜となっている。

またそれぞれのキーは、キーの中心に向かって球状に微妙にくぼんでおり、滑らかで精確なタイピングを可能にしてくれる。

キーピッチ・ストローク・打鍵感に関しては、正直個人の好みの問題なので、一概にどれがよいと言い切れないが、一応ロジクールの他のキーボードと比較してみたので参考にしてほしい

【ロジクール製・人気キーボードの「キー比較」】

画像&仕様引用:価格コム等

(型番:スイッチ種別・ピッチ・ストロークの順に掲載)

  • K860…パンタグラフ・18㎜・1.8㎜
  • MX Keys…パンタグラフ・19㎜・1.8㎜
  • K295…メンブレン・19㎜・3.2㎜
  • G913…メカニカル・19㎜・2.7㎜
  • PRO X…メカニカル・19㎜・3.7㎜
  • G613…メカニカル・19㎜・3.0㎜

上記①~③は一般(事務)用キーボードで、④~⑥はゲーミングキーボード。

ちなみにK860は、発売前のため試打していないが、その他5つのキーボードは、全て試打している。

パンタグラフでストローク1.8㎜ということから、K860のキー構造は、MX Keysと同等のモノと予想。

私の予想が正しければ、K860は高い静穏性と良質な打鍵感を兼ね備えたキーボードに仕上がっているハズだ。

無線接続対応、三台のデバイスとペアリング可能

K860は無線接続にも対応しているところがうれしい。

2.4GHzのUSBレシーバーでメインPCと接続し、スマホやタブレットとはBluetooth接続する等、同時3台のデバイスとペアリングして利用できる。

ワイヤレス通信範囲は10mで、信号は暗号化されているので安心だ。

一度ペアリング設定してしまえば、切替えは簡単。Easy-Switch TMボタンを押すだけで3台のデバイスを即時に切り替えられる。

また動機は、異なるコンピューターデバイス間で文書や画像ファイル等を転送する「Logicool Flow」にも対応している。

個人的な意見として、「エルゴノミクスキーボードは無線接続」が望ましいと考えている。

その理由は、エルゴノミクスキーボードは、特性上どうしてもサイズが大きいので、別の作業をする際、移動させる必要があるからだ。

無線接続だと、配線を気にすることなく、簡単移動させることができる。

私自身、大型キーボードのロジクールG613 を愛用しているが、無線接続なのでさっと移動でき重宝している。

ロジクールの場合、Bluetooth以外にも2.4GHzの無線にも対応、これにより全く遅延を感じず快適に入力できる。

K860 その他の特徴

K860は充電式ではなく電池式。単四乾電池×2本で最大2年間駆動するという。これなら頻繁に電池交換する必要がない。

また本製品は、購入より2年間のメーカー保証がついているのもありがたい点だ。

本体サイズ・重量は、製品仕様に記載されている通り、横幅456㎜×奥行233㎜×高さ48㎜、重量1160gと一般的なフルサイズキーボードと比べても一回り大きい。

特に奥行きが233㎜と広くなっている。

以上、「ロジクールERGO K860 エルゴノミック スプリットキーボード」の製品特長について紹介した。

エルゴノミクスキーボードの活用シーン

画像引用:ロジクール公式サイトより

次に製品を使用するユーザー目線に立って、エルゴノミクスキーボード及び本製品の活用シーン、メリット・デメリット等について紹介したい。

エルゴノミクスキーボードは万能キーボードではない

まず、本製品の導入を検討されている方に、認識しておいてほしいのが、「エルゴノミクスキーボードは万能キーボードではない」ということ。

特にK860エルゴノミックキーボードは、長時間のタイピングに最適化された「特化型」キーボードであることを理解する必要がある。

そのため、苦手とするシーンもあることをご理解頂きたい。

エルゴノミクスキーボードのデメリット

K860が苦手とする活用シーン及びデメリットについても紹介しておこう。

苦手・デメリット1:「ゲームシーン」

言うまでもないが、ゲームシーンは苦手だ。

シミュレーションゲームの様な反射スピードが必要ないゲームなら、問題はないが、FPSゲームの様な反応速度と特殊操作が求められるゲームには向いていない。

苦手・デメリット2:「狭いスペース」

K860はそのサイズ故に、狭いスペースしかないところでの利用は困難だ。

オフィスでの利用は、得意としているが、それはゆったり広々した机が与えられている場合に限られる。

苦手・デメリット3:「モバイル性能」

こちらも言うまでもないが、その大きさ・重量サイズ故に、モバイルシーンでの活用は難しい。

ただしK860は無線接続に対応しているので、同じ室内でちょっと移動させる分には全く問題ない。

エルゴノミクスキーボードのメリット

それでは最後に、K860を活用するメリットと得意シーンについても紹介しておこう。

まずエルゴノミクスキーボードを使う最大のメリットは、何度も書くが「疲労感の軽減」である。

得意シーン1:「広々した環境」

広々としたデスク、高性能なPC、大型ディスプレイ…この様な環境が揃うと、K860のエルゴノミクス性能が最高に発揮される。

大型ディスプレイを見ながらブラインドタッチで長時間タイピング…そんなシーンでは、肉体の疲労感を軽減してくれる最高のキーボードになる。

得意シーン2:「立位での利用」

座ったままでの長時間タイピングは、どうしても腰への負担がかかる。

そんな時は、スタンディングデスクを利用したいものだ。

K860の革新的なパームリフト機能は、座っていても、立っていても、手首を自然な位置に保持してくれるだろう。

まとめと感想

画像引用:ロジクール公式サイトより

今回は、「ロジクール ERGO K860エルゴノミックスプリットキーボード」を取り上げた。

人間工学に基づいた製品デザインや機能は、長時間タイピング時の疲労感を大幅に軽減してくれる。そしてそれは、生産性の向上にも直結する。

プログラマー・オフィスワーカー・編集ライター…そんな仕事に従事する人間にとって、本キーボードは救世主となるかもしれない。

最近、首から肩のハリがひどくなってきた私…そんな私は、このK860エルゴノミクスキーボードに救いを求めたい…。

【参考サイト・写真引用】
ロジクールプレスリリース
ロジクール公式サイト製品紹介ページ
Amazon ERGO K860 販売ページ

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