マーダーミステリー「灰色の箱の中で」

マーダーミステリーの入門書「マーダーミステリーエントリーブック」。

本書には付録として2作品のシナリオが収録されています。
今回はその中の一作「灰色の箱の中で」を紹介します。

もちろん、ネタバレ無しですから安心して下さい。

<補足>
マーダーミステリーって何という方は、先に以下の記事を読むことをお勧めします。

ゲームの概要

  • プレイ人数  …5人
  • ゲーム時間  …1時間程
  • ゲームマスター…不要
  • ゲーム難易度 …易しい

物語の登場人物…5人【社長(47歳女性)・研究員(35歳男性)・エンジニア(30際女性)・警備員(44歳男性)・清掃員(29歳男性)】

ストーリー(プロローグ)

あなたが目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。手足は金具で椅子に固定されてしまっている。

見渡せば同じように高速された男女が…自分を含めて5人。

各々の座る椅子はお互いが見えるよう円形に配置されている。

周囲の壁はコンクリートのようであり、窓ひとつない。

唯一の出口は、核シェルターを思わせるような機械仕掛けの大きな扉だけのようだった。

「ザザ…ザ…ご機嫌いかがかな、みなさん」

部屋の中央にあるテーブルに置かれたスピーカーから声が響いた。機械的に加工された声からは性別すら分からない。

「突然だが、今から君たちにはある事件の真相を解き明かしていただく」

あまりにも突飛な内容に、ある者は首を傾げた。

「その真相とは…「エマを殺したのは誰か」

声の主は、一度息をついたようだった。

「犯人はこの中にいる。あの夜、殺害を実行したのは会社にいた君達だけだからだ。

君達は今から議論を尽くし、エマを殺した犯人を突き止めなければならない。

議論の上で君達の中から一人を犯人として指名すれば、その一人を除いて君達の拘束は外れる仕組みになっている。

あとはテーブルに置いている鍵で外に出ていってもらって結構だ。

ただし議論が十分になされていない…例えば誰かを犠牲にするだけの指名は私を失望させることになる」

スピーカーの隣には確かにカードキーが置かれている。

しかし椅子は床にしっかりと固定されており、拘束されている限りは触ることすらできないだろう。

つまり、誰かをここに残すことでしか脱出できないということだ。

「では…君達の働きに期待しているよ」

それきり、スピーカーは黙り込んでしまった。拘束された男女5人は不安げにお互いの顔色をうかがっている

気分が悪くなるような重い空気の中、痩せぎすの男…研究員が低くうめき声を開いた。

「エマというのは…昨年社内で起こった事故でなくなった少女の名前だ」

彼が絞り出すように漏らした言葉を皮切りに、あなたたちの記憶が蘇りはじめた…

マーダーミステリー・エントリーガイドブックより

登場人物の紹介

社長(47歳女性)

私はセキュリティに関する製品・サービス・情報を扱う巨大企業「モーフィアス・セキュリティ」を束ねる社長だ。

周囲で嫉妬や下品な憶測が飛び交っていることは重々承知しているが、私には自身の力でここまで会社を成長させてきた自負がある。

私にとって会社は子供のような存在であり、社員のような存在であり、社員からの信頼も厚い。

研究員(35歳男性)

私はセキュリティに関する製品・サービス・情報を扱う巨大企業「モーフィアス・セキュリティ」に勤める研究員だ。

非常に研究熱心であり、会社にほとんど住んでいるような状態だ。その熱意の甲斐あって、首席研究員として周囲から一目置かれている。

とはいえ、研究エリアから滅多に外に出ないため、都市伝説のように扱われていることもあるようだ。

エンジニア(30歳女性)

私はセキュリティに関する製品・サービス・情報を扱う巨大企業「モーフィアス・セキュリティ」に勤めるエンジニアだ。

主に製品の設計を担当していて、実力派の中堅社員として一定の評価を得ている。

良くも悪くも自分の仕事に集中してしまうタイプで、この会社にいると結婚できない、というのが目下の悩み。

警備員(44歳男性)

俺はセキュリティに関する製品・サービス・情報を扱う巨大企業「モーフィアス・セキュリティ」に勤める警備員だ。

普段は会社の正面玄関脇に設けられた守衛室で夜間の警備に就いている。

清掃員(29歳男性)

僕はセキュリティに関する製品・サービス・情報を扱う巨大企業「モーフィアス・セキュリティ」に勤める清掃員だ。

会社の方針として、清掃業者からの派遣などではなく正社員として雇用されている。

ゲームの流れ・ルール

ゲームの目的

各プレイヤーが「担当するキャラクターごとに決められた目的」を果たすコトです。

ゲームの準備

1.キャラクター選択

全員で話し合って、各プレイヤーは自分が担当するキャラクターを選択し、シナリオブックを受け取って下さい。

2.シナリオを読み込む

各プレイヤーは担当するキャラクターのシナリオブック裏面にある「自己紹介」「ストーリー」を黙読してください。

読み終えたらシナリオブックを開き、左側ページにある「目的」「公開してはいけない情報」「状況によっては公開してもよい情報を黙読してください。あなたの目的や、あなただけが知り得ている事柄が書かれています。

右側のページには、各議論フェイズで公開すべき情報が記載されています。

指定された議論フェイズの開始直前まで、内容を読まないように注意してください。

3.自己紹介

全員がシナリオを読み終わったら、任意の順番で自己紹介を行ってください。

シナリオの内容をそのまま読み上げても構いませんし、アレンジした内容を発表しても構いません、

ただし情報に伝え漏れがないよう注意してください。

ゲームのルール

1.議論は3回

3回の議論をそれぞれ第1議論フェイズ、第2議論フェイズ、第3議論フェイズと呼びます。

各議論フェイズの直前に、シナリオに記載されている通りにページを開き「第〇フェイズで公開すべき情報」を確認します。

全員が情報を確認し終わったら、議論を開始してください。

2.議論フェイズ

目的を果たすために議論を行います。

議論は全員公開の状態で行います。密談はできません。

各プレイヤーは嘘を言ってもかまいませんが、直前に読んだ「第〇議論フェイズで公開すべき情報」は必ず公開してください。

また、シナリオに書かれた「あなたが公開してはいけない情報」は必ず隠して下さい。

「状況によっては公開してもよい情報」は誰かに直接指摘された場合や隠しきれないと判断した場合には公開しても構いません。「自ら進んでは公開しない」という情報であり、公開するかの判断はプレイヤーに委ねられています。

3.推理投票フェイズ

任意の順番に1分程度で「誰を拘束するか」「なぜその人を選んだか」を発表します

全員が発表を終えたら、各自は1度だけ「誰を拘束するか」を変更することを宣言しても構いません。

最終的な投票先が決定し、最も得票数の多かったプレイヤーは拘束されたままとなります。

それ以外のプレイヤーは拘束から解放されます。

4.エンディング

エンディングシナリオを開き、指示に従って読み上げて下さい 。

まとめ

本格的なシナリオの場合、3~4時間かかるのが普通ですが、本作品は、1時間程で遊べます。

これからマーダーミステリーを始めたい方には、本作「灰色の箱の中で」は丁度よいでしょう。

本作品を遊んでみたい方は、「マーダーミステリーエントリーガイドブック」を購入しましょう。

本作品の他に「私の愛したサイコキラー」も収録されています。

「マーダーミステリー・エントリーガイドブック」(グラフィック社)

追記:プロローグ動画公開

「灰色の箱の中で…」のプロローグ動画をYouTubeで公開しました。

ズームやスカイプ、ディスコード等、オンラインでプレイする時に利用してくださいね💖

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