【楽しく学ぶ心理学】認知バイアス「選択肢過多効果」

人は誰でも、ココロにクセを持っています。

自分の心をあなたは知りたくないですか?

今回は、池谷裕二先生の「自分では気づかないココロの盲点」(講談社)より、心理クイズを一問紹介します。

さあ、あなたも問題に挑戦してみて下さい。奇妙なココロの癖が明らかになるでしょう…

問題:大は小を兼ねる

デパートの試食販売コーナーでジャムを売りました。
次のどちらのブースの売上が多かったでしょうか?
①:6種類のジャムを販売するブース
②:24種類のジャムを販売するブース

解答解説:大は小を兼ねる

答え:①:6種類のジャムを販売するブース

脳が同時に処理できる情報量は有限です。許容量を超えると、選ぶこと自体をやめてしまいます。

6種類のスープのほうが、24種類のブースの7倍の売上がありました。

通りかかった客が足を止める確率は、24種類のほうが上でした。おそらく商品棚が目立つからでしょう。

しかし、実際に商品を買ってもらえる客の割合は、6種類のブースでは30%だったのに対し、24種類のブースでは3%に留まりました。

さらに客の満足度も、品数の少ないスープのほうが高かったのです。

客のことを考えると、つい多くの選択肢を用意したくなりますが、それは偽善的な自己満足です。

ラーメン屋でも「うちは塩ラーメン1本だよ」と言ってもらったほうがスカッとして気持ちが良いですし、こだわり度にも信頼がおけます。

大学の講義でも似た実験が行われています。社会心理学の授業で、用意された複数のテーマから、好きなものは一つ選んでエッセイを書いてもらうというレポートを課しました。

テーマの数を6個の場合と30個の場合を設定したところ、レポートの提出率は、選択肢が6個の場合は74%でしたが、30個の場合は60%でした。さらに採点結果も、選択肢6個のほうが6%ほど高得点でした。

「選択肢過多効果(Choice Overload Effect)」

「自分では気が付かないココロの盲点」(講談社:池谷裕二)より

選択肢過多効果とは、

選択肢過多効果(Choice Overload Effect)とは、選択肢が増えれば増えるほど、選択することが難しくなってしまいストレスの原因になってしまう現象のことです。

感想雑記:選ぶのが面倒くさい?

皆さんの回答はいかがでしたか?

私の場合、選択肢が多いと…確かに選ぶのが面倒臭い、そう感じる時もあります。

デパ地下食品売り場にて

写真引用:株式会社ロックフィールド公式サイトより

例えば、デパ地下のサラダ売場…

色とりどりのサラダが20種類ぐらい並んでいます。

すると…色々目移りしてなかなか選べなくなっちゃいます。

でも、今晩の夕食の一品として購入しなければならない

そんな時、私は以下の方法で選んでいます。

  • 本日のお買い得品(セール品)を選ぶ
  • 店員に「どれがオススメ?」って聞く

特に「ポテトサラダが食べたい!」ってこだわりがない時は、選択肢をお店の方に投げてしまいます。

家電量販店にて

写真引用:ヨドバシ梅田公式ツイッターより

しかし、買い物時、いつもこんな風にお店任せでいるか

そう問われれば、そんなことはありません。

例えば、パソコンを購入したいと思った時…

私は、「ヨドバシ梅田店」に行きます。その理由は圧倒的に品ぞろえが豊富だからです。

もちろん、自宅の近所にも複数の家電量販店があります。でもそんなお店には行きません。「品揃え」が貧弱だから…

品揃えの多い「ヨドバシ梅田」で、何時間もかけて各メーカーの商品を見て、比較検討を行います。

商品によって購買行動が違うのは何故?

サラダを買う時は、お店任せで適当に購入しているのに、パソコンを買う時は、悩みに悩んで慎重に購入する。

その違いはどうして起きるのでしょう?

サラダは価格の安い日用品に対して、パソコンは価格の高い買回り品だから…

まったくその通りだと思います。

数百円の買物と十万円の買物とでは、違うのが当たり前ですね!

高い買物をする時は、慎重に比較検討してから購入を決断する。

だけど…本当にそうでしょうか?

私の場合は、少し違います。

例えば、同じ家電でも、エアコンを購入した時…

エアコンもパソコンと同程度の高価格商品です。にも関わらず、私は慎重に比較検討しませんでした。

一緒に買いに行った嫁半に、

いってき

自分の好きなやつ購入していいよ!

と選択を投げてしまいます。

よめはん

沢山種類があって、どれがいいか迷うわ?

そう、問い返されると…

いってき

とりあえず、お店の人に聞いてみよう!

自ら比較検討せず、結局、店員さんに任せてしまいました。

安い商品でもしっかり検討する時も…

私の場合、高い商品でも、しっかり比較検討して購入する場合と、適当に店員任せで購入する場合の二つのパターンがありました。

では価格の安い商品の場合は、どうでしょうか?

先ほど例を挙げた「サラダ」の場合、お店・店員任せでした。

しかし、価格の安い商品でも、こだわる時はこだわります。

先日、パソコンのキーボードを追加で購入したのですが、たかだか数千~1万円程度の商品を選ぶのに、数週間かけてじっくり検討しました。

価格コムやアマゾンで商品を洗い出し、メーカーの商品紹介・ブロガーの商品のレビューを読み、店頭で実物を確かめました。

そこまで時間をかけて検討するのは…

  • 少しでも作業効率が高まる商品を選びたい
  • あれこれ比較検討するのが「楽しい」

これら2つの理由からです。中でも②「楽しい」が一番の理由です。

あれこれ比較検討するのが楽しいからこそ、これだけの時間をかけたのです。

まとめ(私の結論)

あれこれ色々と書きましたが、私なりにまとめてみると…

  • 豊富な品揃えは、消費者に選択のストレスに(選択肢過多効果)。
  • それならば、品揃えは絞った方がよいのか?
  • 一概には、そうとも言い切れない。
  • 沢山の商品を比較検討するのが楽しい時もある
  • 興味ある商品は、比較選択は楽しい時間
  • 興味の薄い商品は、比較選択はストレスの時間
  • 興味のある商品は人それぞれ違う

なんだか、すっきりしないまとめでした。

最後にひとつだけ…

自分のお店の品ぞろえはどうすればよいか?

決まった正解はありません。

自店のマーケティング戦略をしっかりもちましょう…

マーケティングや心理学のセオリーは、あくまでセオリーのひとつであって、全てのケースで有効ってことはありません。

知恵を絞り、思考錯誤を重ねて、自店にマッチした戦略を作り上げましょう😊

今回も最後まで御覧頂き、ありがとうございました💖

<参考&引用文献>

いろいろな心理クイズに挑戦しながら、様々な認知バイアスについて学ぶことができます。
楽しい本なので、是非皆さんも読んでみて下さいね😊

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