【楽しく学ぶ心理学】認知バイアス:自己奉仕バイアス

人は誰でも、ココロにクセを持っています。

自分の心をあなたは知りたくないですか?

今回は、池谷裕二先生の「自分では気づかないココロの盲点」(講談社)より、心理クイズを一問紹介します。

さあ、あなたも問題に挑戦してみて下さい。奇妙なココロの癖が明らかになるでしょう…

問題:ココロのゲリラ豪雨

突然に雨が降り出しました。職場の傘立てを見たら、なんと、いつもの私のビニール傘がありません。この時、どちらの推測をする人が多いでしょうか

①誰かが持っていったかな

②どこかに置き忘れたかな

解答解説:ココロのゲリラ豪雨

答え:①誰かが持っていったかな

責任は自分でなく、他人にあると考えたほうが、ストレスが少なくてすみます。
置き忘れたと感じるより先に、盗まれたと直感する人が多いはずです。

脳は、成功を自分の手柄だと思い、失敗を「他人のせいだ」「不可抗力だった」と解釈します。
次の例を見れば、思いあたるでしょう。

人がやらないのは怠慢だから
自分がやらないのは忙しいから

人が出世したのは運が良かったから
自分が出世したのは頑張ったから

人が時間をかけるのは要領が悪いから
自分が時間をかけるのは丹念だから

人が上司に受けがいいのはおべっか使いだから
自分が上司に受けがいいのは協力的だから

人が仕事ができないのは才能がないから
自分が仕事ができないのは努力不足だから

人がテストに失敗したのは努力不足だったから
自分がテストに失敗したのは問題が難しかったから

人が言われていないことをやるのはでしゃばりだから
自分が言われていないことをやるのは積極的だから

脳は自尊心を保つために知らぬ間に心地よい理由を創作します。

「自己奉仕バイアス(Self-serving bias)」

自分では気づかないココロの盲点(講談社・池谷裕二)より

自己奉仕バイアスとは?

自己奉仕バイアス(Self-serving bias)とは、成功を当人の内面的または個人的要因に帰属させ、失敗を制御不能な状況的要因に帰属させること。 自己奉仕バイアスは、成功は自分の手柄とするのに失敗の責任を取らない人間の一般的傾向を表している。(Wikipediaより)

感想雑記

自尊心を持つコトは良いこと

自己奉仕バイアスの説明を読むと、自尊心に対し、悪いイメージを持ってしまいそうです。

しかし私は、自尊心を持って生きることは、大切なコトと感じています。

自尊心とは、読んで字の通り、「自分を尊ぶココロ」。

心理学的には自己に対する肯定的な態度で、英語ではself-esteemと呼ばれています。

すなわち「ありのままの自分を受け入れて尊重するコト」。

自分の長所も短所も素直に受け入れた上で、前向きに生きる…

素晴らしいことではないでしょうか?

逆に自尊心が無く、自己肯定感が低いと様々な弊害が生じます。

「自分はダメ人間だ!」そう思い込むことによって、

だから何をやっても上手くいかない…

だから頑張ってもしょうがない…

自分を否定しても良いことは何もありません。

自尊心が高すぎるのも問題が…

しかし、自尊心が高すぎると問題が発生する場合も…

自分がいつも正しく、自分と違う考えの人間を否定する…

自尊心が無駄に高いために、今までのやり方に固執する…

こんな弊害も生まれてきます。

この様に自己奉仕バイアスも強くなりすぎると

「プライドばかり高く、鼻もちならないヤツ」と周囲から思われてしまいます。

過ぎたるは及ばざるがごとし…

この様に、自尊心を持つことは大切ですが、それが強すぎると他人を低く見てしまう弊害も出てしまう危険があります。

やはり自尊心(プライド)も…

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」(孔子)

低すぎるのもダメだし、高すぎるのもダメですね!

今回も最後まで御覧頂き、ありがとうございました💖

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