英語で百人一首 第二首「春すぎて…」持統天皇

日本人のこころ「小倉百人一首」

百人一首は、百人の歌人の和歌を、一人一首ずつ選んだ秀歌撰です。

中でも、藤原定家が京都・小倉山の山荘で選んだ小倉百人一首は「歌かるた」として、今でも多くの人に愛されています。

古典の授業等で学習した方も多いでしょう。

そんな小倉百人一首より毎回一首ずつ、ピーター・マクミラン先生の「英訳」も交えながら紹介します。

今回は和歌番号第2番「持統天皇」の一句です。

第二首「持統天皇」

春すぎて 

夏来にけらし 

白妙の 

衣ほすてふ 

天の香具山

小倉百人一首 第二番:持統天皇より

ピーター・マクミラン先生の英訳

Spring has passed,

and the white robes of summer

are being aired

on fragrant Mount Kagu

beloved of the gods.

「WHACK A WAKA 百人イングリッシュ」(ピーター・マクミランより)

現代語訳

春が過ぎさり、いつの間にか夏が来てしまったようです。夏になると、白い夏の着物を干すならわしのある天の香具山に、あんなに点々と白い頃もが干してあるのが見えます。

(この歌は、香具山に降り積もった雪を、白い衣に見立てて作った歌だという説もあります)

※衣ほすてふ(ちょう)…衣をほすという

歌人「持統天皇」(645~702)

天智天皇の第二皇女。おじの天武天皇の皇后になりましたが、夫の死後、即位して持統天皇となり、都を飛鳥から藤原京(奈良県橿原市)に移しました。「万葉集」の歌人としても有名です。

「藤原京」とは

上記画像はCG合成による復元

藤原京は、今から約1300年前に中国の都城を参考して造営された日本で初めての本格的な都です。

藤原京の大きさは、南北約4.8km、東西約5.2kmと非常に広く、京域のほぼ中央には、政治の中枢機関であり、天皇が住んでいた藤原宮がおかれました。

宮殿が京の中心に在るのは他の都城と異なる藤原京の特徴です。

藤原京は、東西南北に張り巡らされた道路によって街並みが碁盤目状に区切られ、その中に多くの寺院や役所のほか、市場や役人、庶民の住宅や寺院などが計画的に配置されていました。

人口は約3万人と推定されています。

藤原宮では初めて屋根に瓦を葺きました。200万枚もの瓦が使われたようです。これは法隆寺の瓦の約100倍というものです。

引用:橿原市公式HPより

「大和三山」とは

大和三山は奈良盆地南部の橿原市の平野に位置し、耳成山、香久山、畝傍山国有林の三つの山で構成され、それぞれ風景林に指定されています。

大和三山は歴史的にも大変古くから神話等で登場し、神の鎮まる地とされ、また万葉集には大和三山を詠しんだ歌も多く『藤原京』は風水思想の考えの下に、大和三山を結ぶ中心地に造営されています。

耳成山(みみなしやま)

耳のない、その円満な姿から「耳成山(みみなしやま)」と名付けられたといわれ、この山にはクチナシの木が茂っており、また麓には目なし池もあり、「三無し(耳・口・目)」がそろっているのは暗示的であるともいえます。

山頂には天神社(耳成山口神社)が鎮座するので、天神山とも俗称します。地元の人からは、『天神さん』と呼ばれ雨乞いの神様として親しまれてきました。

標高139.7mと三山のうちでは一番低く、安山岩からなる死火山です。もとは高い山であったようですが、盆地の陥没で沈下し、単調な円錐型小丘となり残っています。

香具山(がぐやま)

多武峰(とうのみね)から橿原市の平野部に突き出た部分が香久山(152m)で、古くから神話の中に出てきています。

万葉集の持統天皇の歌『春過ぎて夏来らし白妙の衣ほしたる天の香久山』は有名です。

又、藤原京の東に位置することから、太陽信仰の地として神を祀ったという伝説もあり、『天の岩戸神話』の舞台として今も岩戸神社や天香山神社があります。

畝傍山(うねびやま)

畝傍山(199m)は大和三山の中で一番高い山で、その裾には初代神武天皇から4代懿徳天皇までの陵墓があり、日本民族の古里とも言われています。

山裾にはヒノキ人工林、中腹以上は落葉樹、照葉樹が混ざり、橿原神宮の背景林として美しい山容を見せています。

注)上記大和三山に関する記事は、林野庁近畿中国森林管理局HP「大和三山風景林より」引用

まとめと感想

香具山に白い衣が干されているのを見て、夏を感じる…

そんな情景が心に浮かびました。

持統天皇・藤原京・大和三山…

いにしえの都や人々に想いを馳せているうちに、私はこれらの場所を訪ねてみたい…そんな気持ちが高まっています。

私の住む大阪の街から藤原京があった橿原市まで、電車でおよそ1時間。

平時であれば、土日を利用してさっそく散策に出かけるのですが、今はまだコロナ自粛期間。

だから、大和三山と藤原京を巡るハイキングコースをネットで調べ、道中のグルメ情報等をチェックし「空想の旅」を楽しんでいます。

藤原京・大極殿跡の南側には美しい秋桜(コスモス)畑が広がっています。

コスモス花の名前の由来は、ギリシャ語のコスモス(宇宙・調和・秩序)。メキシコにいたスペイン出身の聖職者が中南米原産のコスモスをみて、花びらが整然とバランスよく並んでいることに、ギリシャ語の(調和)と名付けたとのことです。

美しい秋桜が咲く頃に、現地を訪ねることが出来れば…

一刻も早く、世界が秩序を取り戻し、人々が気兼ねなく外に出かけることができる…そんな日常が戻ることを、私は願っています。

今回も最後まで御覧頂き、ありがとうございました💖

<参考>
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