英語で百人一首 第五首「奥山に…」猿丸太夫

日本人のこころ「小倉百人一首」

藤原定家卿が編纂した「小倉百人一首」。

その中から毎回一首、ピーター・マクミラン先生の「英訳」も交えて紹介・解説します。

今回は和歌番号第5番「猿丸太夫」の一句。

第五首「猿丸太夫」

奥山に 

紅葉ふみわけ 

鳴く鹿の 

声聞くときぞ 

秋は悲しき

小倉百人一首:第五番 猿丸太夫 より

ピーター・マクミラン先生の英訳

In the deep mountains

making a path

through the fallen leaves,

the plaintive belling of the stag

how forlorn the autumn feels.

「WHACK A WAKA 百人イングリッシュ」(ピーター・マクミランより)

第五首:現代語訳

人里離れた深い山奥で、一面に散り敷く紅葉をふみわけ、妻をもとめて鳴いている鹿の声…

その声を聞くとき、秋のさみしさが私のこころにもしみて、ひとしお悲しく感じられるなあ…

歌人「猿丸太夫」(生没年不詳)

奈良時代の人とも、平安時代の人ともいわれますが、詳しいことは分かっていません。三十六歌仙のひとりに加えられていますが、実在する人かどうかもはっきりしません。

雑記・感想

落葉の秋に、妻を求めて鳴く牡鹿の姿…叙景抒情的で、私も大好きな一首です。

さて、「鹿に紅葉」と言えば、皆さんは何を連想しますか?

私は、「奈良公園」と「花札」を思いだします。

「奈良公園」

関西在住の人間にとって「鹿」と言えば「奈良公園」。

奈良と言えば、有名な観光地なので、関西以外の方も訪れたことが多いでしょう。

中でも、奈良公園周辺は、興福寺、東大寺、春日大社…等、国宝・世界遺産に登録された場所も多く、見どころが多い場所です。

奈良公園には、野性の鹿が生息しています。

ただし野生の鹿といっても、人を恐れることはありません。「鹿せんべい」(鹿のエサ)を持っていれば、鹿の方から近づいてくれます。

(ちなみに鹿は、春日大社の神使です)

奈良公園は、桜の名所でもありますが、秋の紅葉もまた見事です。

花札「鹿に紅葉」

花札の10月札『鹿に紅葉』

相手を無視するコトを「シカトする」というのは、10月札の鹿の顔が、ソッポを向いているのが語源と言われています。

また「鹿」と「紅葉」の組み合わせになったのには、こんな伝説が残っています。

興福寺十三鐘伝説「石子詰」について

ある日、興福寺の小僧さん達が大勢この堂で習字の勉強をしていた処、一匹の鹿が庭へ入り小僧さん達の書いた紙をくわえたところ、その小僧の一人、三作が、習字中に使用していた、(けさん=文鎮)を鹿に向かって投げました。

ところがこの一投の文鎮は鹿の急所に命中し、鹿はその場にて倒死しました。

当時、春日大社の鹿は神鹿とされ「鹿を殺した者には石詰の刑に処す」との掟があった為、鹿を殺した三作小僧は子供と云えども許されることなく、三作小僧の年、十三歳にちなんだ一丈三尺の井戸を掘り、三作と死んだ鹿を抱かせて井戸の内に入れ、石と瓦で生き埋めになりました。

三作は早くに父親に死別し、母一人、子一人のあいだがら、この日より母「おみよ」さんは、三作の霊をとむらう為、明けの七つ(午前四時)暮れの六つ(午後六時)に鐘をついて供養に努めましたところ、四十九日目にお墓の上に観音様がお立ちになられました。

その観音様は現在大御堂内に稚児観世音として安置されています。

子を思う母の一念せめて私が生きているあいだは線香の一本も供えることが出来るが、私がこの世を去れば三作は鹿殺しの罪人として誰一人香華を供えて下さる方はないと思い、おみよさんは紅葉の木を植えました。

当世いづこの地へいっても「鹿に紅葉」の絵がありますのも石子詰の悲しくも美しい親子愛によって、この地より発せられたものであります。

又奈良の早起は、昔から有名で自分の家の所で鹿が死んでおれば前述のようなことになるので競争したと云われます。

今でも早起の習慣が残っています。

同境内地に石亀がありますのは「三作の生前は余りにも短命で可哀想であった次に生まれる時には亀のように長生きできるように」との願いにより、その上に五重の供養搭を建てられたものであります。

南側の大木は銀杏とけやきの未生の木ですが、母親が三作を抱きかかえている様であると云われています。

何時の世にも親の思う心は一つ、こうして、三作石子詰の話が、今もこのお寺に伝わっているのです。

引用:まいにち奈良づけ(ヨシノマホさんのブログより)

関西にお越しの際は是非「奈良」へ

今回は、猿丸太夫の一首と奈良公園周辺を紹介しました。

私は関西に住んでいますので、奈良へも散策に出かけます。

同じ古都でも奈良は、京都とは違う趣があります。

落ち着いた雰囲気、ゆったりと時間が流れる感覚…

そんな素敵な場所です。

関西には、大阪・京都・神戸と大きな街が3つあります。

だから関西観光と言えば、この3都市を巡るのがメジャーです。

ですが、奈良も素晴らしい所です。

この3都市周遊に加えて、是非、奈良へもお越しください。

今回も最後まで御覧頂き、ありがとうございました💖

<参考>
英語で百人一首に関する他の記事はこちらからご覧ください。

(引用・参考サイト)

奈良公園公式サイト
まいにち奈良づけ

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